自己治療仮説

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自己治療仮説という検索ワードで、ときどき当サイトにアクセスがあるようなので、記事を書いておこうと思う。

自己治療仮説とは、ざっくりいうと、依存症において、なぜその依存行動を取るのかを説明する際に、その行動が実は(ストレスなどの)苦痛・困難に対抗する治療行為として機能しているのだ、とする仮説である。

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ハームリダクション

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中島らも、という作家がいる。ご存じの方も多いと思う。
作家といっても、いわゆる小説家というだけではなく、放送作家でもあり、劇作家でもあり、ミュージシャンでもあり、コピーライターでもあった。いろいろな才能を持った人だったのだろう。

また同時に、アルコール依存、それに大麻などの薬物依存に陥っていた人でもある。死んだのは2004年のことで、飲み屋の階段から転落し、そのまま帰らぬ人となった。 “ハームリダクション” の続きを読む

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言葉と思考

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今回は(今回も?)、まとまりのない話をする。話があっちにいったりこっちに行ったりするが、そこはご容赦願いたい。原義としてのやおい話(山なし落ちなし意味なし)。

なにで見かけたのだったか、はてな匿名ダイアリーの、普通に日本語で話すだけで疲れるというエントリー(念のため魚拓)が、非常に興味深い。このエントリを書いた方の苦労を考えると、興味深いなんて言い方をすると申し訳なくもあるが。

よく読んでみると分かるのだが、何かを発話しようとした際に、その本来行おうとした言葉の音韻に基づいて、別の言葉・フレーズが巻きこまれる形で釣り上げられているようだ。

この話を読んで、統合失調症の患者に見られることがある音韻障害と似ているところがあるなと、ふと思った。 “言葉と思考” の続きを読む

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報酬予測誤差仮説とギャンブル、あるいはごく当たり前のこと

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最初に書いておくと、今回の記事には特にオチらしいオチはない。

ある日、昼休みに突然同僚がチョコレートをくれたとする。いきなりだったので少し驚きながらも、幸せな気分になるかもしれない。
その日から3日間連続でチョコレートを貰ったとしたらどうか。次の日は、昼休みが近づいてくるだけで、まだチョコレートをもらっていなくても、わくわくした気分になるかもしれない。
そしていざ昼休みが来て、仮にチョコレートをもらえなかったとする。そうすると、おそらく普段以上に落ち込んだ気分になるだろう。 “報酬予測誤差仮説とギャンブル、あるいはごく当たり前のこと” の続きを読む

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「底付き」は必要なのか

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Alcoholics Anonymous(以下AA)から派生した自助グループ系の治療プロセスにおいて、ほぼ間違いなく言及されるのが、回復のためには「底付き」が必要だ、ということだ。

そして、最初に結論を書いておくと、僕がこれから言おうとしていることは、依存症の回復に底付きなど不要、ということだ。それを、順を追って話していこうと思う。 “「底付き」は必要なのか” の続きを読む

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12ステップに対する僕の考え方

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まず最初に。僕自身は、いわゆる12ステップを信じていない。
12ステップって何?という人は、ここを読んで欲しい。

依存症の治療について調べたことのある方は、ご存知のように、12ステップというのは依存症に関わる分野で非常に広く受け入れられている手法だ。もはや依存症治療=12ステップという具合に、ほぼ前提となってしまっているといってもいい。 “12ステップに対する僕の考え方” の続きを読む

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独り言がつい出てしまうのは悪いこと?

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しばらく前の記事のコメントで、こういうものがあった。

仕事中プライベートを問わず、考えていることの一部や喜怒哀楽の一部が、独り言として勝手に口をついて出てしまう現象の解消方法が知りたいですね。必要以上に常に頭の中で全てを言語化しようとしている弊害かもしれないですが。

実のところ、僕にも似たようなところがあって、ぶつぶつ呟いているのを人に聞かれることがしばしばある。ちなみに、僕自身はそれを問題と感じたことはない。何の問題もない。ノープロブレム。ちょっと気味悪がられるだけだ。 “独り言がつい出てしまうのは悪いこと?” の続きを読む

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止められない行動をどうやって止めるか?8(未来編)

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decisionmaking

依存症を完全に治療するには、どうすればいいのだろうか。

現在のところ、その方法は見つかっていないのが実情だ。しかし、どうやら自然に回復している人が相当の割合でいるらしいことなどからも、今まで言われてきたような、進行性で一生治らない病気ではないらしいと分かってきた。 “止められない行動をどうやって止めるか?8(未来編)” の続きを読む

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止められない行動をどうやって止めるか?7(応用編)

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今回は、僕自身が実際に行っている、より具体的なテクニック、考え方について述べる。

まず、いままで自分が「なにかをしたくてたまらない」と判断していた自分の体の状態を、きちんと感じる必要がある。ここで体の状態と書いたのは、脳の状態も含む。 “止められない行動をどうやって止めるか?7(応用編)” の続きを読む

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止められない行動をどうやって止めるか?6(裏付編)

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前回の話を、まとめてみよう。

「なにかをしたいという気持ち」が止められないということに、依存症の人は苦しんでいる。
しかし、実はその「なにかをしたいという気持ち」はそもそも存在しない。ただの依存症による生理反応を、脳が何かをしたいという気持ちであると(おそらくは過去のデータに基づき)、誤って解釈しているだけだ。 “止められない行動をどうやって止めるか?6(裏付編)” の続きを読む

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