止められない行動をどうやって止めるか?7(応用編)

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今回は、僕自身が実際に行っている、より具体的なテクニック、考え方について述べる。

まず、いままで自分が「なにかをしたくてたまらない」と判断していた自分の体の状態を、きちんと感じる必要がある。ここで体の状態と書いたのは、脳の状態も含む。


脳の状態ってなんじゃらほいと思われるかもしれないが、例えば、同じことをぐるぐる考えているとか、少しイライラする、そわそわする、思考がまとまらないといった、普段と違う部分が、言葉には表せないかもしれないが、どこかにあるはずだ。
体の状態では、例えば呼吸や心拍が早くなっているとか、頭が少し痛いとか、そういった現象が起きているかもしれない。

重要なのは、そういった状態を、押さえ込もうとするのではなく、きちんと細かに感じてやることだ。同時に、そこにはなんの気持ちや意図は存在しないということを、改めて確認して欲しい。

極端なたとえだが、風邪を引いたときのことを考えて欲しい。頭がぼーっとして、頭痛や腹痛がおきるかもしれないが、そこにはあなたの気持ちや意図というものは存在しない。強いて言えば、ただ気持ちが悪いだけである。

次に、そういった状態がなぜ起こっているのかを、考えて欲しい。余裕のない時は、依存症のせいだと、単純に考えてもらってもかまわない。余裕がある時は、もう少し深く分析してみて欲しい。例えば何かの近くにいるとか、たまたま時間が空いて暇だからとか、なにかニュースを見たせいだとか、どうやら離脱症状が出ているとか、細かな理由が見つかるはずだ。具体的な理由を見つけることができれば、より気分が楽になるはずだ。

さて、このやり方の最大の欠点は、前回まではそわそわといった言葉で記述した、もやもやした、どこか落ち着かないものは必ず残る、という点にある。これは、残念ながらそういうものなのであきらめてもらいたい。しかし、その残るものを知覚し続けることで、それは自分が依存的行動をしたいという意図・気持ちではないと何度も確認することは、最終的には良いことだと考える。

ただ、そのなんともいえない気持ち悪さを発散させたいなら、単純だが深呼吸や、他のことをしてみるというのはいい考えだろう。

ただ、個人的に感じたのは、他のことをするにしても、気分発散的な、普段楽しいはずのことをしても、あまり効果はない。なぜなら、楽しく感じられないので、結局余計に憂鬱になりがちだからだ。逆偽薬効果のことを思い出してほしい。

となると、むしろ割と退屈なのが最初から分かっているものの方がいいだろう。無理に気分を発散させようと考える必要はないが、それなりに忙しいものがいい。

個人的には、最終的にたどり着いたのは編み物(かぎ編み)だったりするのだが、考えてみれば、なかなかいい選択肢だったかもしれない。座っていないとできないが、中断はいつでもできる。しかも役に立つうえ、最終的な達成感も得られる。みんなで編み物をしよう。
ちなみに歩いているときなどは、車のナンバープレートの数字を使って遊ぶのが個人的にはお勧めだ。素因数分解してみるとか、演算で10にしてみるとか。

いろいろと人によってテクニックは変わると思うが、気持ち悪さを正面から受け止めつつも、耐えられないときはそらす方法を編み出してほしい。

なんども同じことを書くが、重要なのは、何かをしたい気持ちを耐えるのではないということだ。単にそわそわした感じ、落ち着かない感じ、気持ち悪さ、あるいは離脱症状ならもう少し具体的な身体症状、例えばのどの渇きや手の震え、脈拍の上昇、そういったものをきちんと認識し、耐え、必要ならば気をそらすようにして欲しい。

ただし、アルコールや薬物の離脱症状に関しては、出方によっては、きちんとした処置をしなければ重篤な状態になる可能性があるので、あまりにもひどい場合には医者に相談するほうがいい。離脱症状をおさえる薬を出してくれる場合もあるだろう。念のために書いておく。

次回は、もしかするとこのやり方が持っているかもしれない意外な効果を、長期的な治療の方法と絡めてお話ししつつ、最終回にしようと思う。

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