AtCoderで青と水色を行き来しながら転職しました

Share

最近更新がかなり滞っていたこともあり、もしかしたら死んでるかもしれないと心配している人がいるかもしれないので、一応、近況報告も兼ねて。

さてタイトルの通り、2022年8月1日付けでソフトウェアエンジニアに転職した。契約書上の試用期間も過ぎ、多少は業務にも慣れ、いつの間にやら年末も近づいてきたので、区切りと言ってはなんだがエントリを書いておこうかと思う。

ちなみに、更新が滞っていた原因の半分は、Nintendo Switchで発売されたレイディアントシルバーガンのスコアアタックが忙しかったせいである(やっと2000万点越えた)。

さて、前職は産廃屋の事務職だったし、完全な未経験業種への転職となった。もっとも、PC専門の家電量販店にいたこともあるので、コンピュータへの縁がゼロという訳でもないが、もちろん業務内容は全く異なっている。

……なんて書くと、なんかあれやね……「3ヶ月プログラミング勉強したら年収が倍になりました」みたいな記事っぽいような……。残念ながら、オススメの転職サイトBEST5!とか紹介したりはしないので、あしからず。

閑話休題。

僕の場合は一般的に想像する「転職活動」とは程遠い、運が大きく絡む転職だった。あるいは、この「運」のことを「縁」と呼ぶ人もいるかもしれない。

そんなわけで、以下つらつらと転職するまでに起きたことを書くが、たぶんあまり役には立たないと思う。こういう展開もあるんだなぁ程度に、軽い読み物として笑い飛ばしてほしい。オチも特に無い。

その発端は、2019年夏。僕が愛用するゲーム販売サイトHumble Bundleで、Pythonの入門用プログラミング教材を安く売っていたのを見かけたことにある。

当時は事務職だったわけだが、しばしばVBAでマクロを書くなどして業務をサボって効率化していたりしていたのもあり、当時話題に出ることも多かったPythonを少しやってみようと考えたのだ。「みながすなるPythonというものを~」という軽いノリである。

Pythonは、実に書きやすい言語だった。バンドルで買った教材が良かったおかげもあるかもしれない。最初に手をつけたのは、退屈なことはPythonにやらせよう(リンクは日本語版)という入門書だったが(この本は、実は英語版は無料で公開されてもいる)、ありそうな課題をどんどん解決していきながらPythonを勉強するという、事務方にとっては実に実践的な本だった。この他にも2~3冊写経したり練習したりしたので、購入したバンドルの元は取ったと思う。

その後もなんだかんだでPythonを使い続けて1年が経ち、2020年の夏。転機が訪れる。

そう、AtCoderを知ってしまったのだ。

……といっても、いきなり知ったわけではなく、実は最初に知ったのはpaizaである。たぶん、バナー広告かなにかがきっかけだったと思う。

paizaにはスキルチェックというオンラインコードテストの仕組みがあり、これをやってみようと思ったのだ。自分がどの程度プログラミングに習熟しているのかの確認にもなるわけで、腕試し……というほどのものでもない、単純な軽いノリであった。

ちなみに、この時点では転職などは全く考えていなかった。

さておき、paizaスキルチェックを下の難易度から順に解いていったわけだが、B問題くらいまでは解けたものの、A問題あたりから、なにをどうやったら解けるのか全くわからない問題が出始めた。お察しの通り、アルゴリズムに関する知識が全く不足していたからだ。例えば、BFS / DFS はおろか、全探索という概念すら知らなかった。

そうなると悔しいもので、なんとかその手の問題を解く方法を知りたいと調べ回ることになる。そして、最終的に行き着いたのがAtCoderだったのだ。お気づきのように、もはや仕事とはなんの関係もない。むしろその方が燃える。

AtCoderを始めてからの推移については、僕のAtCoderプロフィールを見てもらうのがいいだろう。AtCoder Beginners Contest、一般にABCと呼ばれるコンテストにほぼ毎週出続けた。その合間を縫ってアルゴリズムの勉強をし、ストリートファイター5では是空の修行を続け、グラディウス3の膨らむモアイの判定に涙を飲んだ。

AtCoderにおいては、自分の成績をレーティングの数字ではなく色で語ることが多い。色は灰→茶→緑→水→青→黃→橙→赤と強くなっていくことになるが、水色までは半年かかり、青にタッチするまではそこから1年半掛かっている。2022年12月現在でも、水色~青色を反復横跳びしている状態の、わりと平凡な成績だ。

とはいえ、水色になったあたりから、なんとなく転職できたらいいなぁ……という意識は持つようになった。しかし、40代も半ば、薹の立つ年齢である。一応食っていけそうな定職にはついていたし、そこまで積極的な活動を行っていたわけでもない。せいぜいスキルチェックでお世話になっているpaizaにプロフィール登録しておいたくらいのものだ。
2~3ヶ月に一回くらいの割合でスカウトが飛んでは来たが、おそらくプロフィールも見ずに一括配信しているものがほとんどだっただろう。食指の動くものも無かった。
氷河期世代が求人情報を見る目は厳しいのである。

さて、人買いの話はさておき、AtCoderである。

ABCには、しばしば企業がスポンサーとしてつくことがある。2022年2月に行われたモノグサプログラミングコンテスト2022(AtCoder Beginner Contest 238)もその一つだ。この時のコンテストの成績はかなり悪かった。もしかしたらモノグサ株式会社というユニークな社名が印象に残ったのは、そのせいもあるかもしれない。(似たような理由で、株式会社キーエンスも覚えている。ここがスポンサーとなるコンテストの問題セットも、どうも相性が悪い気がする)

そんな2022年3月も終わりの頃に受け取ったのが、モノグサからのカジュアル面談のお誘いメールだった。

おそらくだが、モノグサプログラミングコンテストの参加者のうち、転職の意思を持ち、個人情報の提供に同意した人の上位(20%くらいだろうか?)に配信されたメールかなと想像している。そんなわけで、モノグサの採用サイトは一通り目を通してみた。ふむ、ボードゲーム好きが多そうだ。ボードゲームならそれなりの経験はあるのだが……。

ここで、格言を紹介しよう。幸運の女神には前髪しか無い、というものだ。人生にチャンスがきたら迷わず掴め、あとから追いすがっても(後ろ髪はないので)もう遅い、という意味だ。

それはともかく、もちろん、応募は華麗にスルーした。

そりゃそうだろう。冷静に考えてほしい。40代も半ばになったIT業種未経験者がAtCoderのレーティング少し上がったくらいでEdTechベンチャー企業に中途採用で飛び込んでみたいとか、何を夢を見てるのかと。自殺でもするつもりかと。独身ならともかく、家族もいるのに。
氷河期世代は自分を見る目も厳しいのだ。

とはいえ、一期一会の世の中である。実は採用サイトを「ほほぅ……」と見て回る中、一件リンク切れを発見していた。これは教えてあげておくほうがいいだろう。というわけで、カジュアル面談には一切触れずに、リンク切れがありますよ~というメールだけ送っておいた。自分で言うのも何だが、純粋な親切心であった。

しばらくすると、丁寧な御礼のメールが返ってきた。そこに再度、カジュアル面談へのお誘いが書かれていたのだ。

ここでふと考えたのである。募集が十分に集まっているのならば、わざわざもう一度メールで誘ってくることもないだろう。であれば、とりあえず賑やかしとしてして参加してみるのも親切かもしれない。会社のサイトを見る限りでは、雰囲気も大変よさそうだったことだし。

そんなわけで、カジュアル面談に応じてみることにした。実際に行ったカジュアル面談は、実のところ会社案内と選考プロセスの説明程度の内容+雑談といった風であった。大変なごやかな感じで進み、どこかから自分の好感度が上がる効果音が聞こえた気がする。

カジュアル面談が終了したあと、次に悩んだのは、もちろん本選考に応募するかどうかである。このときに、自分の中で確信していたのは、次のふたつだ。

・モノグサで働くことができれば、大変面白そうだ
・しかしながら、今の自分が本選考を通る可能性は皆無だろう

ただ、と思考を続ける。そもそもこの手の業界において、どういった感じの選考が行われているのかを知らなければ、仮に今後転職活動を積極化するとしても、話にならないのではないだろうか。

で、あれば。モノグサの人事の人には少し悪い気もするが、実際に選考を受けてみることで、自分に足りない部分を把握しやすくなるのではないだろうか。転職しなくとも、例えば自分でなにかを開発する際の足しにもなるだろう。
あるいは。多少は迷惑かもしれないが、AtCoder経由で自分みたいな素人が応募してくるケースも今後出てくるのであれば、テストケースを増やすという点においては、先方にも多少プラスの面があるのではないか。

そういうわけで、本選考に進んでみることにした。職種は少し悩んだが、初志貫徹ということでソフトウェアエンジニア(SWE)を選択した。

当時の(といっても今も大きくは変わってないが)SWEの選考プロセスは1次選考(オンラインコーディングテスト)→2次選考(技術面接)→最終面接(含ボードゲーム)であった。ボードゲーム!

コーディングテストは、ごくごく基本的なもので、そこまで悩むこともなかった。言葉は悪いが、いわゆる足切り用のような内容だと思われた。これは無事合格したようで、2次選考の案内が来た。

問題は、この2次選考、つまりは技術面接である。部屋の隅でガタガタ震えながら神様にお祈りする準備しかできなかった。……つまり、事前準備は皆無だった。しかし、ある意味仕方がない。なにも知らないうえ、情報もない。人生には開き直るしか無いときもあるのだ。

結果、技術面接の出来は散々なものだった(と、思っている)。コーディングについても緊張でミスが多めだったし、そうでない問題については、自分が経験したことがないどころか考えたこともないことについて問われ、その都度思考を巡らせて、半ば回答をでっち上げていった。

とはいえ、自分の中では、その当時自分が持っていた実力を仮に40くらいだとして、35位は見せることが出来ていたとは思う。そういう意味では、頑張ったと思う。だが、ベンチャーの中途採用の選考に合格するラインの受け答えができていたとは思えなかった。

最終面接はともかく、ボードゲームはやりたかったな……でも今までやったことなかったし、いい経験にはなったかな……。そんな思いが去来した。

ところが。

なんと2次選考合格のメールが来たのである。実のところ、今でも技術面接に謎の力が加わったのではないかと疑っている。ニンジャとか。ニンジャじゃしょうがないよな。

そんなわけで、次は最終面接を受けることになった。2次選考まではオンラインで完結したが、最終面接は必ず対面で行うとのことだったので、飯田橋まで行く必要があった。

が、ただ飯田橋に行くのもつまらないので、電車を日本橋で降りて散歩しながら向かうことにした。当日のツイートをいくつか紹介しよう。

100%東京の物見遊山を満喫中である。日本橋→神田→九段下→靖国神社と歩いてプラプラしすぎて、危うく遅れるところだった。

ここまで来たら後は大して書くこともない。最終面接を非常に良い雰囲気で終え、念願かなってボードゲームで遊ぶこともできた。その後、オファー面談を受けて転職を決定し、現在にいたる、という感じである。

一応書くと、転職活動全体では、モノグサを含めて2社にしか応募していない。ちなみにもう一社は、paiza経由で少し面白そうな内容のスカウトメールをもらって参加したカジュアル面談だった(これは志向が違っていたこともあって落ちた)。これを転職活動と呼ぶと、むしろ真面目な人に怒られそうな内容である。

ここに書いた以上の事はしていない。はっきりいって、運というか、流れというか、そんな転職だった。

そんなこんなで、転職後の現在は、モノグサ株式会社のSWEとして、最終面接のボードゲームに積極的に参加しつつ、とにかく知らないことだらけなので勉強しながら仕事をする日々を送っている。

最後に、今回の転職のきっかけとなった Humble Bundle、paiza、AtCoder、モノグサ、その他諸々の全ての人、そして毎週末ABCに参加し続ける僕を生暖かい目で見ていたカミさんに感謝の言葉を贈りつつ、長々とお付き合い頂いた、流されるままに生きてきた僕が、また流されるままに転職することになったお話は、おしまいにする。

なお、モノグサ株式会社では現在も人材を絶賛募集中なので、興味が出た人はぜひ採用サイトへ。技術職以外にもいろいろとポストがあるので、覗いてみてほしい。

……いや、ほら、一応やっぱこういうの書いておかないと……

Share

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です