CMYKのKは “key plate” のK?そもそも key plate って何?―その2

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前回の続き。

ヨーロッパにおける図版の多色印刷の歴史そのものは古く、例えば、すでに15世紀には、ドイツにおいて複数の木版を組み合わせたものが製作されたりしたらしい。しかし、一つ一つの色は職人が手で付ける必要があったし、過程も複雑で、現代の印刷とはあまり繋がっていない。手間がかかる割には大した数が作れない、小ロットの特別工芸品、といった感じのものだったようだ。

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CMYKのKは “key plate” のK?そもそも key plate って何?―その1

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CMYK、いわゆるシアン・マゼンタ・イエロー・ブラックのKは、実はblackのKではなくてkey plateのKらしいという話を、どこかで読まれたことがある人も多いと思う。
実は、僕はずっとblackのKだと考えていて、そのことを知ったのはつい先日のことだったりする。

なるほど、興味深い……のだが、あちらこちらの記事を読んでも今ひとつ腑に落ちないことが多かったので、色々と調べてみた。というわけで、皆さんにもその知識をおすそ分けしようと、そういう記事である。

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フェリペ2世とドン・カルロスと機械じかけの修道士

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前回記事の続き。

実はシラーの「スペイン王子ドン・カルロス」には、さらに元となる本が存在する。それが、サン・レアル(César Vichard de Saint-Réal)の”Don Carlos, Nouvelle Historique”(1672)だ。その中に、1562年に起こった、ある事件のことが書かれている。この事件は、シラーの戯曲やヴェルディの歌劇には含まれていないものの、サン・レアルの描いたドン・カルロスの人物像がどのようなものだったのかを、雄弁に物語っている。 “フェリペ2世とドン・カルロスと機械じかけの修道士” の続きを読む

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フェリペ2世とドン・カルロスと黒い伝説

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ヴェルディ、と言えば何を思い浮かべるだろうか。サッカーチームの方ではない。作曲家の方だ。

あるいは、ヴェルディってそもそも誰?という人でも、「椿姫」(あるいは、ラ・トラヴィアータ)や「アイーダ」という歌劇のタイトルなら聞いたことがあるかもしれない。
どちらも聞いたこと無いんですけど、という人でも、流石に椿姫の「乾杯の歌」なら聴いたことがあるだろう。 “フェリペ2世とドン・カルロスと黒い伝説” の続きを読む

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