one-off

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時事ネタで恐縮だが、先日このような見出しのニュースが流れた。

U.S. defense official calls U.S. strike on Syria a ‘one-off’

この’one-off’という表現だが、一回限りのもの、特注のもの、といった感じの意味だ。名詞としても、形容詞としても使用される。(例えば、one-off paymentなど)

実は日本語でも、業界によっては「ワンオフ」という言い方が使われる。例えば、趣味で車やバイクの改造をしている人は、ワンオフパーツなどという言葉を使ったことがあるかもしれない。

一回限りだから”one”だとして、後にくっついている”off”は何のことだろうか。

“line off”という表現から来ているという説が日本では広まっているようだが、残念ながら間違いだ。実のところ、この間違いが結構広まっている上に、きちんとした解説があまり見当たらなかったので、この記事を書くことにしたのだったりもする。

ちなみに、この”line off”というのは和製英語なので、英語の辞書には載っていない。が、どうやらトヨタ用語でもあるようなので、kaizenやkanbanのように、もしかしたら、いずれ辞書に載ることになるのかもしれない。

閑話休題。
このoffについては、英語のネイティブな話者でも疑問に思っている人がいるらしく、比較的広まっている説の一つに、”one of”の変形だというものがある。”one of ~”と言えばいいものを、最近は”one-off”などという乱れた表現が見られる云々などという話が出ることもあるらしい。

が、これも間違いだったりする。

どうやら、元々はイギリスで使われ始めた用語が、近年アメリカ英語に取り入れられた際、単語の文脈が伝わらなかったせいで、上のような考え方ができてしまったらしい。

では、そもそもどういう言葉だったのか。
大本は、1930年台にイギリスの鋳造工場(foundry)で使われていた用語だ。

鋳造(metal casting)では、鋳型(mold)に鉄などの溶けた金属を流し込み、冷えて固まった後に、出来上がったものを鋳型から外す。この外す(off)という過程から、そのままoffという表現が生まれたのだ。

そして、同じ鋳型から複数の(同じ形の)ものを作成した時、その数をoffという単位で表すようになった。20個つくれば20-off、100個作れば100-offという具合に。当時の鋳造工場の広告に、このような表現がみられるらしい。

となると、one-offという言葉の持つ意味合いもはっきりしてくる。ある型から、一回しか作っていないもの、ということだ。そしてそれは必然的に、特注品だとか、試作品だとか、そういうものとなる。

転じて、現在のようにもっと一般的な、一回しか行わないこと、などといった意味で使われるようになった。特別、という意味合いでは、素晴らしい才能を持った人、なんて意味にも使われる。他に同じ人がいない、という意味合いから考えると分かりやすい。

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