AtCoder上にある問題のうち、AtCoder Problemsでdiff 800以上と判定されているものを順番に解いていく企画。
基本的な考え方は全てコード中のコメントに入れてあるので、参照のこと。
出典:
AtCoder Beginner Contest 217 D – Cutting Woods
実はC++なら、二分探索のみ用いて、ほぼ愚直でも通る。実のところ、Pythonでもリストではなく Array を使用すれば、同様にほぼ愚直でも通るらしい。
ここでは、愚直ではない\(O(Q \log Q)\)の回答を二通り紹介しておく。
# AtCoder Beginner Contest 217 D - Cutting Woods
# https://atcoder.jp/contests/abc217/tasks/abc217_d
# tag: 座標圧縮 BIT Union_Find 平衡二分木
# 実は C++ だと std::set を利用して割とあっさり解けるが、
# Python3 では該当する標準ライブラリが無いため、かなり
# 難しくなる問題。
# ひとまず、1 <= L <= 10^9 という制限が厳しいので、
# 座標圧縮をしてから考える。
# 切られているか切られていないかは BIT で管理する。
# つまり、圧縮後の座標において切られているところに
# 1 を加えていくことで、左端から数えて何回切られているか
# という情報を管理するようにする。
# 長さを求めるクエリが来たときには、BIT 上で
# 手前で切られている地点と次に切られている地点を求め、
# 長さを出力する……という方針。
# BITクラス
# 内部処理は 1-indexed だが、引数・返り値は 0-indexed に統一。
class Binary_Indexed_Tree:
def __init__(self, N):
self._len = 1 << ((N-1).bit_length())
self._tree = [0] * (self._len + 1)
# pos に対して x を加える。
def add_to(self, x, pos):
pos += 1
while pos <= self._len:
self._tree[pos] += x
pos = pos + (pos & -pos)
# pos までの累積和を返す。
def get_csum(self, pos):
pos += 1
result = 0
while pos > 0:
result += self._tree[pos]
pos = pos - (pos & -pos)
return result
# 累積和が value となる最小のインデックスを返す。
def get_lower(self, value):
if value < 0:
return 0
result = 0
check = self._len // 2
# ここからBIT上で直接二分探索を行っているような感じ。
while check > 0:
if value > self._tree[result + check]:
value -= self._tree[result + check]
result += check
check //= 2
return result
# ここからメイン。
def main():
L, Q = map(int, input().split())
queries = [list(map(int, input().split())) for _ in range(Q)]
# 座標圧縮。 0 と L も加えておく。
x_list = [x for c, x in queries] + [0, L]
x_list = list(set(x_list))
x_list.sort()
comp_dic = {x:i for i, x in enumerate(x_list)}
# BIT 作成。0 と L の地点をあらかじめ切っておく。
bit = Binary_Indexed_Tree(len(x_list))
bit.add_to(1, comp_dic[0])
bit.add_to(1, comp_dic[L])
# クエリ処理。
for c, x in queries:
if c == 1:
bit.add_to(1, comp_dic[x])
else:
# クエリで指定されているところが、
# 左端から何回切られている地点かを求める。
value = bit.get_csum(comp_dic[x])
# 上記情報を元に、左側の切断地点を求める。
lower = bit.get_lower(value)
# 同様に、右側の切断地点を求める。
nxt = bit.get_lower(value + 1)
print(x_list[nxt] - x_list[lower])
main()
Union_Findを用いつつ、クエリを逆順に処理する解き方もある。実は本番ではこれを最初に思いついたので、こちらで通した。
# クエリを逆から見ていった場合、バラバラになっている木を
# どんどんくっつけていくという操作になる。
# これを Union Find で管理しつつ、順次(逆から)答えを
# 求めていくことが可能。
class Union_Find:
# 親管理リストと高さ管理リストを初期化し、
# 要素N個のUnion-Find森を作成する。
# 親管理リストは、基本的には自分のひとつ上の親を表すが、
# 値が負の場合には、自身が最上位の親(リーダー)であることを表し、
# 自分を含めたグループの人数を管理することとする
def __init__(self, N):
self.parent = [-1] * N
self.rank = [0] * N
self.group_count = N
self.N = N
# xの所属するグループのリーダーを返す
def find(self, x):
# 自分自身がリーダーなら、自分を返す
if self.parent[x] < 0:
return x
# 再帰的に捜索し、見つかれば繋ぎ変えておく
# (計算量が増える=面倒くさいので)高さ管理は行わない
par = self.find(self.parent[x])
self.parent[x] = par
return par
# xとyのグループを統合する
# (xのリーダー(統合先), yのリーダー(統合元)) を返す
def unite(self, x, y):
# それぞれのリーダーに対する操作を行うことになる
x = self.find(x)
y = self.find(y)
# リーダーが同じなら何もする必要がない
if x == y:
return (-1, -1)
# 木の高さが同じ場合:
# グループの人数を合計しつつ適当に繋ぎ、繋げられた方の高さを1増やす
if self.rank[x] == self.rank[y]:
self.parent[x] += self.parent[y]
self.parent[y] = x
self.rank[x] += 1
self.group_count -= 1
return (x, y)
# 木の高さが違うなら、低い方を高い方につなぐ
if self.rank[x] < self.rank[y]:
x, y = y, x
self.parent[x] += self.parent[y]
self.parent[y] = x
self.group_count -= 1
return (x, y)
# xとyが同じグループかどうかを調べる
def samep(self, x, y):
return self.find(x) == self.find(y)
# xの所属するグループのメンバー数を返す
def get_member_count(self, x):
x = self.find(x)
return -self.parent[x]
# ここからメイン
def main():
L, Q = map(int, input().split())
queries = [list(map(int, input().split())) for _ in range(Q)]
# あらかじめ出てくる地点を先読みする。
# 0, L も切られる地点として含めておく。
points = list(set([x for c, x in queries] + [0, L]))
points.sort()
# 各部分の長さ。
piece_length = [r - l for l, r in zip(points, points[1:])]
# クエリ上の位置 → n 番目の座標圧縮用辞書
pos_to_n = {pos: n for n, pos in enumerate(points)}
# Union_Find木の作成。
# 各要素は最終状態での各ピースとする。
# 結合時はリーダーを元にして piece_length を更新する。
uft = Union_Find(len(piece_length))
# 実際に切られる地点。
cut_points = set([x for c, x in queries if c == 1] + [0, L])
# 切られない地点は、あらかじめ結合しておく。
for p in points:
if p not in cut_points:
x, y = uft.unite(pos_to_n[p]-1, pos_to_n[p])
piece_length[x] += piece_length[y]
result = []
# 逆順にクエリを処理していく。
for c, x in queries[::-1]:
# 切るクエリなら、逆に木を結合する。
if c == 1:
x, y = uft.unite(pos_to_n[x]-1, pos_to_n[x])
piece_length[x] += piece_length[y]
# 指示された地点の長さを返す。
else:
result.append(piece_length[uft.find(pos_to_n[x])])
# 得られた答えを逆順に出力。
for r in result[::-1]:
print(r)
main()
もちろん、C++ における std::set のような平衡二分探索木を用いて回答するやり方もあるが、scrblbugが作成したライブラリが無いため、ここでは紹介できないのであしからず。